昨晩、微博で、#长安十二时辰第二季官宣#というタグを目にし、えっ…?!
あの大ヒットドラマ『長安二十四時~長安十二時辰』の第2シーズン制作公式告知である。


長安十二時辰2

『長安二十四時2』コンセプトイメージも発表。
熱心なファンが勝手に作った自作ポスターではなく、ちゃんとオフィシャル。

このポスターを使ったごくごく簡単なティザートレイラーもあり、そちらの方がより分かり易いのだが(ブログのシステム上ここには貼れない)、手に握られた砂がサラサラと下に落ちていくデザイン。

さらに、「长安常安,守城人深藏功名 沙海迷城,孤勇者入局在即」という文句が添えられている。
“沙海迷城”。
つまりね、長安城に留まらず、西域で展開していく物語と想像させる。


『長安二十四時』はこの続編ドラマのみならず、さらに大物プロデューサー黃建新(ホアン・ジェンシン)と脚本家 郭俊立(グオ・ジュンリー)のコンビによる映画版の脚本がすでに着手されている他、アニメ版にまで展開されると言われている。

長安十二時辰:西安曲江曼蒂広場 唐風市井生活街区

『長安二十四時』と言えば、つい先ごろ、西安市の曲江曼蒂広場に、ドラマの世界観が体験できる施設がオープンし、連休中大変賑わったという報道が記憶に新しい。
(予約制、入城無料!)

つまり、一つの大人気IPから、ドラマ、映画、体験型施設等々、どんどん展開していくという、これまでアメリカが得意でやってきた事を、中国も大々的にやり始めたという事でしょうか。


現時点で私が一番心配なのは、黃建新&郭俊立による映画版かも。
(私の好みとは違うテイストの映画になりそうな気が…。)

ドラマの『長安二十四時2』は、うーん、どうでしょう…。
大ヒットした前作を超える続編というのは、ほとんど例がないので。

同じく制作が公表されている『琅琊榜3』よりは『長安二十四時2』の方が手堅いという気もするけれど。
『長安二十四時』は唐の史実をベースにしており、現実に、“前作の最終回のその後”に国を揺るがすドラマティックな出来事が色々と起きているのは誰もが知るところ。
ヒット作から何とか次のネタを絞り出そうとしているようにも感じられる『琅琊榜』よりは、無理なく続編が制作できそうな気はする。

でも、どんなものでも最良の記憶として残す一番の方法は“腹八分目で留めること”だと常々感じているんですよねぇ。
ましてや、『長安二十四時』がディズニーやマーベルのコンテンツのようにならなくても構わない、…と言う以上に、“なって欲しくない”くらいに思ってしまう。

とにかく、ドラマ『長安二十四時2』は、公開されればきっと観るでしょう。
制作が公表されたからには、それなりのドラマに仕上がって欲しいですよね。


大陸ドラマ『長安二十四時~長安十二時辰』

一本目の『長安二十四時』は間違いなく大傑作。
私は『長安二十四時』を知ってしまったせいで、幸か不幸か目が肥え、ちょっとやそっとの時代劇では満足できない体質になってしまった…。




東京會舘×パレスホテル東京

こちらが本題でした。
お菓子です。

モンブラン好きな人々の間で評判の商品、パレスホテル東京“マロンシャンティイ” 。
ずっと気になっていたものの、私がやっと食べたのは2020年。
気に入って、それ以降しばしばリピート。

が、実はそれ、オリジナルではないのだ。
オリジナルは東京會舘“マロンシャンテリー”
東京會舘初代製菓長 勝目清鷹(1900~1972)が、1950年頃に考案したお菓子。

その東京會舘にいた田中徳三郎(1899-1977)が、1961年のパレスホテル開業時に総料理長に就任。
その際、パレスホテルに持ち込まれた東京會舘のレシピの中にあったのが、あの栗のお菓子。


そもそもパレスホテルの前身は、戦後、GHQの要請で建てられたものの、その後、東京會舘に払い下げられた国営ホテル“ホテルテート”

うちの母の話では、その昔パレスホテルの1階には東京會舘の喫茶店があったという。
母の記憶はアテにはならないけれど、東京會舘とパレスホテルに深い繋がりがあるのは確か。

なので、パレスホテルのマロンシャンティイは、東京會舘のマロンシャンテリーのパクリではなく継承、一種の暖簾分けみたいなものという理解で良さそう。


私は後発のパレスホテルの物しか食べたことがないので、オリジナルの方にも興味があった。
で、この度ようやく有り付けた。

オリジナルと暖簾分け、二者は同じなのか違うのか、以下食べ比べ。



東京會舘:マロンシャンテリー

まずはオリジナル、東京會舘公式サイト)の“マロンシャンテリー”
お値段は一個981円(税込み)。


東京會舘:マロンシャンテリー

個別に箱入り。
しっかり作られた白い紙箱。


東京會舘:マロンシャンテリー

箱の中には、ドーム型プラスティック容器に入ったケーキ。


東京會舘:マロンシャンテリー


大きさは、直径約8.5センチ、高さ約5.5センチ。
薄いスポンジ生地を台に、裏ごしした栗を盛り、生クリームで包み込んだモンブラン。


見た目は、パレスホテルの物にそっくり。
こちらがオリジナルなのだから、まぁ当たり前なのだけれど。


東京會舘:マロンシャンテリー

お姫様のドレスのように綺麗に絞られた生クリーム。


東京會舘:マロンシャンテリー

生クリーム+栗+ごく少量のスポンジケーキだけで構成されたシンプルなモンブラン。

中の栗はそぼろ状。
何度も繰り返し裏漉しにするそう。
なので、見た目はそぼろ状だが、かなり滑らかな質感。
これは、パレスホテルの物との大きな違い。

もう一つ、私が大きく違うと感じたのが、生クリーム
もしかして、植物性の生クリームを使っています…?
ややクドイ油っぽさを感じるのだが…。


“昭和の洋菓子”という印象のお味。
恐らく、生クリームの質感が、そういう印象に繋がっているのだと思う。

あと、少々残念に感じたのが、プラスティック容器の底部分を外せず、そのまま食べなければならないこと。
パカッと外せるのは上部に被さる透明のドームだけで、下のゴールドの底部分は、ケーキが直に接しているので、動かしようがないのだ。
食べるのに不便はないけれど、見た目がまるでコンビニデザートのようで、気分が下がっちゃう…。



パレスホテル東京:マロンシャンティイ

続いて、パレスホテル東京公式サイト)の“マロンシャンティイ”
こちらはすでに複数回食べているが、今回は久し振り。
お値段は、一個901円(税込み)。


パレスホテル東京:マロンシャンティイ

こちらも個別に箱入り。

前回食べた時には、こういう箱に入っていなかった。
東京會舘の物と似たドーム型のプラスティック容器であった。
もしかして、時流を汲み、プラスティック使用量を極力少なくした容器に変えたのだろうか。

私は、中が覗ける窓が開いているこの黄色い箱を見て…

パレスホテル東京:マロンシャンティイ

ユニバーサルスタジオのアニメのキャラクター ミニオンズや北京オリンピックのマスコット冰墩墩(ビンドゥンドゥン)を連想した。


パレスホテル東京:マロンシャンティイ

本体は、茶色い紙で作られた台にのっている。
紙製でも、上手く折られ、ちゃんと強度があるから、黄色い箱からの出し入れが簡単。


パレスホテル東京:マロンシャンティイ

大きさは、直径約7.5センチ、高さ約5.5センチ。
薄いスポンジ生地を台に、裏ごしした栗を盛り、生クリームで包み込んだモンブラン。


パッと見は東京會舘のオリジナル版に似ているけれど、実は生クリームのデコレーションがちょっと違う。

パレスホテル東京:マロンシャンティイ

東京會舘の方は下部の生クリームが二重に絞られているのに対し、パレスホテル東京の物はシングル。
その分、東京會舘の方が底部の直径1センチほど大きい。


パレスホテル東京:マロンシャンティイ

白くてエレガントな生クリーム。
東京會舘使用の生クリームより明らかに軽やか。


パレスホテル東京:マロンシャンティイ

構成は、生クリーム+栗+ごく少量のスポンジケーキと同じ。

中の栗は、なんでも約10個分も使われているのだと。
そぼろ状で、見た目は東京會舘と大差なし。

が、実は、口にすると違いが分かる。
所々に細かく刻まれた栗が残っているので、歯応えのアクセントになっているし、より“栗”が感じられる。


パレスホテル東京は、2022年3月、新宿伊勢丹の地下食料品売り場に常設店がオープン。
お陰で、マロンシャンティイも以前より購入し易くなった。


結論

私は2つを同日に食べ比べていない。
同時に食べなければ、味の違いに気付けないかも知れないと思っていたのだけれど、全然そんなことなかった。
二者の違いは顕著。

で、どちらが気に入ったかと言うと、(あくまでも私個人の好みでありますが…)迷わず、パレスホテル東京の“マロンシャンティイ”の方。


簡単に味の違いを説明すると、東京會舘は“昭和のケーキ”、パレスホテル東京は“現代のケーキ”という印象。

東京會舘のマロンシャンテリーが誕生した1950年(頃)といったら、終戦からたったの5年ですからねぇ。
充分な物資がなく、庶民が洋菓子をよく知らない時代には、とても贅沢でモダンなお菓子だったのだと想像する。

いくら私が若くはないとはいえ、さすがにもう子供の頃から質の良い生クリームを口にし、それに慣れてしまっているので、昭和レトロな味を「懐かしい!」、「美味しい!」とはなかなか思えない。

お値段は、どちらも千円弱でほぼ同じだが、細かい事を言うと、実はパレスホテル東京の方が数十円お安かったのですね。
味が気に入った上、より安いのなら、なお得した気分。